複雑性PTSDとか

外傷後ストレス障害Post Traumatic Stress Disorder(PTSD)

複雑性PTSD

繰り返し以下の経験をした方は、通常のPTSDと似た症状を発症しますが、これを「複雑性PTSD」といいます。

  • 幼少時または成人後に深刻なネグレクト(育児放棄)または虐待を受けた
  • 拷問や虐待を伴う監禁など、成人してから深刻な暴力行為や虐待を繰り返し受けた

PTSDの症状

外傷体験のあと、多くの人は悲嘆にくれたり、気持ちが落ち込んだり、不安や罪悪感、怒りを感じることがあります。

これらの情動反応に加え、主に以下の3種類の症状が現れます:

1. フラッシュバックと悪夢

トラウマになった出来事を繰り返し追体験する症状で、日中に当時の体験を「フラッシュバック(追体験)」するか、または睡眠中に悪夢として現れます。
どちらの症状も非常に生々しく、当時と同じ状況をまた経験しているように感じます。
頭の中で記憶がよみがえり、同時に恐怖心、発汗、におい、音、苦痛など、当時の感情や肉体的な感覚を再体験することもあります。
普段の何気ない物事がフラッシュバックを誘発するきっかけとなります。
例えば、雨の中で交通事故に遭った場合、雨降りがフラッシュバックを引き起こすかもしれません。

2. 外傷体験に関連する刺激の回避や精神的な麻痺

外傷体験を何度も追体験するのは苦痛なので、フラッシュバックやそれに伴う感情から自分の注意をそらそうとします。
趣味に没頭したり、一所懸命仕事をしたり、クロスワードやジグソーパズルに熱中して気を紛らわせるのです。
外傷体験を思い出させるような場所や人物を避け、その体験についての話題を避けるようにします。
感情を麻痺させることで何も感じないよう努め、精神的な苦痛に対処します。
人との交流を減らすので、共に生活したり働くことに周りの人は負担を感じるようになります。

3. 常に「警戒」している状態(過覚醒)

危険がないか用心しているかのように絶えず警戒した状態で、リラックスすることができずにいます。
この症状を「過覚醒」といいます。
不安感が拭えず不眠に悩まされ、他の人が気付くほど神経質で短気になります。

その他の症状

  • 筋肉痛
  • 下痢
  • 不整脈
  • 頭痛
  • パニックや恐怖心
  • 抑うつ気分
  • 過剰な飲酒
  • 鎮痛剤を含む薬物の使用

複雑性PTSD

複雑性PTSDは外傷体験から数週間もしくは数か月で発症しますが、診断されるまでに数年かかることもあります。

トラウマ体験は子どもの成長に影響します – トラウマを経験した時期が早ければ早いほど、心に残る傷が大きくなります。防衛的もしくは攻撃的になって外傷体験に適応しようとする子や、まわりの環境から自分を切り離したり、羞恥心や罪悪感を抱き、自信や自己肯定感を持てずに成長する子もいるのです。

長期にわたり虐待や拷問を受けていた大人は、子どもの場合と似たような孤立感を持ち、世間や他人に対して不信感を抱きがちです。

上記のPTSD症状の他に、複雑性PTSDでは以下の症状があります:

  • 羞恥心や罪悪感を感じる
  • 身体の感覚が麻痺しているか、鈍いように感じる
  • 物事を楽しめない
  • 薬物の乱用や飲酒、または自傷行為によって感情をコントロールする
  • 現状との関係を遮断する(解離)
  • 精神的な苦痛が原因で身体症状が現れる
  • 感情を言葉で表現できない
  • 自殺したいと考える
  • 突発的にリスクを負うような行動に出る

次のような場合には、症状がさらに深刻になります

  • 幼児期に外傷体験をする–トラウマを経験した時期が早ければ早いほど、心に深刻な傷を残します
  • 親、または養育者が体験の原因である
  • 過酷な外傷体験
  • 長期にわたる外傷体験
  • 孤立している
  • 虐待者や身の安全を脅かすような人と今も関係がある

回復するためには

友人を作ったり、仕事に就く、定期的に運動する、リラックスできる方法を学ぶ、趣味に興じる、ペットを飼うなど、過去に経験した外傷体験とは関係のない日常的なことから始めてください。
これにより徐々にまわりとの信頼関係を築くことができるでしょう。

他人、そしてまわりの世界に対する信頼感が欠如しているのが、複雑性PTSDの特徴です。
治療者と信頼関係を築き、傷つけられたり虐待されずに人を信じることができると実感できるようになるには、一般のPTSDに比べ、治療に時間を要します

治療には3段階の過程があります:

1. 安定化

精神的な苦痛や感情を切り離すこと(または「解離」)について理解し、自らコントロールする方法を学びます。これには今現在を重視するための「グラウンディング(grounding)」という方法を用い、身体の感覚に集中して、虐待を受けたりトラウマとなっている過去ではなく今を生きているという事実を思い出すものです。
恐怖や不安感を伴う身体症状と、その原因となっている外傷体験の記憶や感情とを別個に考えることで、恐怖心が軽くなる
不安感やフラッシュバックに悩まされることなく日々の生活を送れるようになる
場合によっては、必要な支援はこの段階だけのこともあります。

2. トラウマ焦点化心理療法

EMDRや認知行動療法には、トラウマ体験を思い出す際の苦痛を和らげコントロールができるようにする効果があります。
精神分析療法など、他の心理療法も効果的です。
複雑性PTSDの場合、これらの治療が不適切に用いられると、症状を悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。

3. 再統合

自分のために新たな生活を始め、これまで身につけたものや新しく学んだ手法を用いて実生活では満ち足りた人間関係を築くことができるようになるでしょう。

薬物療法は苦痛や不安感を強く感じた場合、または心理療法を受けられない場合に適用されます。
薬物療法には抗うつ薬や抗精神病薬が含まれますが、抗不安薬や睡眠薬が処方されることは、あまりありません。

PDF トラウマ焦点化認知行動療法:TF-CBT – 国立成育医療研究センター

PDF エビデンスに基づいた PTSD の治療法 – 日本精神神経学会

現在のところ、ランダム化比較試験により、有効性を証明されたPTSD治療法は、認知行動療法、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)、及びSSRIを中心とした抗うつ薬のみである。

その前提として、治療者ー患者関係の構築、二次被害の低減、環境調整、心理教育、リラクセーション、睡眠の改善、不安・緊張の緩和といった基本的ケアが行われていることが必要である。

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基礎的事項 A.小児の年齢別区分

解離性障害 – Wikipedia
DDNOS、調査人数 13名。身体的虐待54%、心理的虐待100%、ネグレクト46%、家庭内性的虐待54%、家庭外性的虐待38%、DV目撃77%。

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